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第2期「元気が出る四川展」レポート Vol.5

〔 募金をする。その先。〕

北川県城を後にし、僕らは次の被災地に向かった。

その途中、食堂に入り昼食をとる事にした。

その食堂がある地帯は、建物の再建がまさに今進められていると言う雰囲気で、まだ鉄筋が取れていない建物やがれきの山がぽつぽつと見えるところだった。

見る限り食堂は他にはなさそうな雰囲気だった。

それでもやはり中国。出てきた料理はどれも大盛り、とても美味。

僕は昼食をとりながら、吉椿さんに基本的な質問をぶつけてみた。

「NGOとNPOって何が違うんですか?」

正直、NGO団体に属している吉椿さんに向かって、こんな基本的な質問をするのもバカみたいな話だと思ったけれど、そんな心配をよそに吉椿さんは丁寧に教えてくれた。

要するに「NPO=Nonprofit Organization」つまり「非営利団体」。そして、「NGO=Non-Governmental Organizations」つまり「非政府組織」。

どちらも「非営利」という部分においては共通しているけれど、「NGO」は、政府、国家に依存しない組織なのだ。

例えば他国で自然災害や、何か大規模な問題が起きたとき、NGOは日本の規制を受けず援助に向かう事が出来る。その分、他国との関わり方は細心の注意を払いながら行動しなければならない。

(※ここでのNGOとNPOについての説明は筆者の大まかな解釈のもと記しています。)

吉椿さんはそういった大きな力に縛られないため、「NGO」にこだわりを持って活動しているようだ。

そこで募金についての話も聞かせていただいた。

吉椿さん所属している「CODE」も募金を募っている。

募金する上で重要なのは「どの支援団体に募金するのか」

「募金をする人は、募金先をもっと調べてから募金をするべきだ」

吉椿さんはそう言っていた。

僕は正直なところ、「何に使われるか」は意識して募金をしているが、「どこに募金をしているか」はあまり、と言うかほとんど意識していなかった。
以前まで、宮崎県の口蹄疫の被害者支援のため、ツイッター上でワンクリックで一円寄付できるというシステムを、ほぼ一日一回利用していた。
しかし、募金をしたら満足してしまい、どこの何と言う団体に募金をして、口蹄疫被害者のために具体的に集まったお金をどのように利用しているかはまったく調べていなかった。
でも、どこに寄付しようがそれが少なくとも怪しい団体じゃなければ支援活動に役立ててくれるんでしょ。と思っていた。
日本でも地震などが起きたりすると、ニュース番組の中でよく募金の受付をしているのを見る。
でもあれば決してテレビ局が支援に使うのではなく、提携している支援団体が集めていて、その団体が支援活動に役立てるのだそうだ。
そして、その中には大手支援団体が存在している。
その支援団体が四川大地震の時に募金を募って集めた金額が約52億円。
日本の企業、団体、個人が、52億円を中国の震災被害のために寄付しているということにまず驚いた。
さらに驚いたのが、2年経って、そのすべてのお金を使い切ることができていないという。
使い切らないお金はどうなるのか?
それは「四川大地震」に対する寄付金なので、使い切らずに置くんだそうだ。
しかし、その支援団体は大手と言うことで、「ここに募金すれば間違いないだろう」という安易な考えだけで十分すぎる募金が集まってしまうという。
吉椿さん曰く、そこ以外にもたくさんのNPO、NGOがあり、その中には被災地の復興支援のため、大手支援団体ではしないような、現地に何度も足を運び、被災者の方々と直接コミュニケーションをとることで、何が本当に必要なのか、どのような支援が被災者たちにもともめられているのかを理解し行動する団体が存在しているという。
もちろん募金をする事自体はすばらしい事だけど、募金をする際には、その団体はどこの何と言う団体なのか、集まったお金をどういった支援に利用するのか等を是非調べてほしいと言っていた。
安易な募金が良くないのではない。

ただ、自分のお金が誰にどのようにして使われるのか、そこを意識すると、グッと支援先、被災地との距離が縮まるのかもしれない。

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(Vol.6へ続く。)

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