〔 光明村へ 〕
昼食を終え、僕らは次の目的地へ向かった。
「光明村(こうめいむら)」
この何とも希望にあふれた名前が着いた村も大きな被害を受けた場所の一つだ。
吉椿さんはこの村に震災から2年間通い続けているそうだ。
このレポートのVol.2にも書いたように、昨年の第一期「元気が出る四川展」を開催したときにこの村の方々をシムズへ招待し、展示会を見てもらい、親睦を深めた。
正直、AAAにとって二度目の訪問で、彼らはどのような反応を示してくれるのか、一抹の不安もあった。
車が到着し、村民のもとへ向かう。
人が見えたところで吉椿さんが手を振ると、子供達やおじさんおばさん達が手を振って迎えてくれた。
吉椿さんが僕の事を紹介してくれると、昨年の事をよく覚えていてくれて笑顔で迎えてくれた。
新しく建てられた住居は立派に見えたが、中はがらりとしていて、ソファーなどもある割に、余り生活の雰囲気は感じられなかった。以外にも薄型大画面テレビなんかも置いてあった。
次々と吉椿さんに挨拶に来るみんなに、吉椿さんは、日本から買ってきたと思われるお菓子やタバコを振る舞っていた。
こういう小さい事を積み重ねて行く事がきっと信用にも繋がってくるのだろう。
僕は改めて紹介してもらい、ここでも今回の展示会の作品をプレゼントした。
村人達は興味ありげに作品を覗き込み、時より笑顔を見せてくれた。
光明村を後にするとき、車が走り去るまでみんな手を振ってくれていた。
吉椿さんは、「そういう事(四川展)を続ける事で、感じてもらえる事は必ずあるよ」と言ってくれた。
作品をプレゼントする事と同じくらい、彼らのためにも四川展を続ける事に大きな意味があると感じた。
村には震災直後に新たな命が誕生していた。
(Vol.7へ続く。)