〔被災地への訪問を終えて〕
今回、AAAの展示会「元気が出る四川展」を通して、被災地へ訪問させていただくと言う、大変貴重な体験をする事が出来ました。
海外での展示活動という事で、ご出展して下さった皆様が足をお運びいただけない状況でしたので、いかに皆様に「参加した」事への充実感を感じていただけるか、感じさせられるかという事を考えておりました。
展示風景を写真に撮り、メッセージに添えてお送りさせて頂いたり、このようにレポートを書かせて頂いて、ほんの少しだけ現地の雰囲気や匂いのような物を感じていただければ嬉しく思います。
あれからほんの三ヶ月経ちましたが、なんだか日中関係がとたんに下り坂になってしまった気がします。
今回AAAを通して中国にご興味を持って下さった方がいるとすれば、きっとその方々もまた、中国に対する考えがよくない方に変わってしまったと思います。
ですがもし、それでも中国がどんな国なのか、よくも悪くも知りたい、機会があれば行ってみたいと思ったなら、是非一度中国へ行ってみて下さい。
日本から見た中国よりも、きっといい面が垣間見れるはずです。
その逆に、やはりやだと言う部分もあると思います。
ただ、「中国人嫌い」という言い方は出来なくなると思います。
日本人にもいろんな人間がいるように、中国にも13億の人間がいます。
反日デモをする人間がいれば、心から日本が好きな人も必ずいます。
今回訪問させていただいた被災地の方々は、もはや日中関係がどうのと言う状況ではありません。
彼らは助けを必要としていました。
何も悪い事をしていない人たちが悲劇にあったとして、彼らを助ける事において、国民性は全く関係ありません。
AAAは、その方法にアートを結びつけました。
人間は言葉も文化も違えど、いい物を見れば心が満たされます。
しかもそれが自分たちのために描かれた物ならば何倍も嬉しい物だと思います。
それから、今回の展示会の出展料の一部を、吉椿さんを通して、村の「お祭り」の資金として利用していただく事になりました。
なぜ「お祭り」か、それは例えば住居などの建物はいろいろな支援団体がすでに着手し、間に合ってきていますが、傷ついた心や離ればなれになった被災者達の心を盛り上げたり暖めるためには、みんなで集まって楽しめる「お祭り」がとても重要だと吉椿さんが教えてくださったので、そのように決めさせて頂きました。
なにより、遠く遠く、知らない場所で、自分たちの事を考えて描いてくれた作品。
一番のプレゼントになったと思います。
最後に、今回、AAA企画、第二期展示会「元気が出る四川展」にご出展くださった皆様、ご検討くださった皆様、AAAを気にかけて下さっている皆様、展示会場を提供して下さったSim’s cozy Guest House、被災地に連れて行って下さったNGO団体CODEの吉椿雅道様、本当にありがとうございました。
AAA鈴木健朗