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第2期「元気が出る四川展」レポート Vol.7

〔村唯一の医者〕

再び車で10分ほど走る。

舗装されていないでこぼこ道をしばらく行くと、青々とした田んぼの風景が辺りを覆っていた。

車を降りて、田んぼを切り分けるようにのびた細い道を入って行くと、チャン族のシンボルであるヤギのモニュメントが掲げられた家が現れた。

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吉椿さんのあとに付いてその家に入って行くと、真っ赤なシャツで、映画で見るようなこれぞ中国人という格好をした初老の男性が現れた。

彼はこの村唯一の医者だという。

とても穏やかな顔をして挨拶をしてくれた。

さっそく、今回の展示会の作品を手渡すと、すぐに部屋に飾ってくれた。

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診療室と思われる部屋で話しをしていたが、正直言ってとても衛生的だとは思えず、部屋の雰囲気からも診療所として機能しているのか少し疑問に思えてしまうほどだった。

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話しを聞けば、今では患者は少なく、収入は充実していないようだった。

だが、この辺りには他に医者はおらず、ここから動く事も出来ないようだった。

家の周りには田んぼ以外にも、梨の木や、サトウキビのような植物、さらには鶏と、ある意味自給自足が可能ではないかと思えるほどの豊かな環境のように見えた。

ただ、ここでもやはり、 震災後建て直した家の借金の返済に追われているそうだ。

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震災後に建て直したはずの家だが、所々早くもひび割れが入っていたり、雨漏りがあると言う。

建て直したところで、結局今まで通りの建築方法ではすぐにぼろが出てしまう。
この点に付いては吉椿さんが指摘し続けているところだ。

平穏な生活を送れているように見える。

しかし未だに震災の後遺症は被災者達を苦しめ続けている。

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(最終回へ続く。)

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